50個しかない言葉から
※ただの推しへのラブレターです。
先日、親族の結婚式に出てきた。
大して会話したこともなければ、お年玉を貰った記憶もない年上の人の結婚式だった。
中学の頃に付き合い、高1で別れ、高2で再度付き合い、高3で別れ、大学2年で付き合いだし、大学4年で別れ、社会人になって結婚したらしい。正直言って不安しかない。
まぁ、案の定親族には
「空音、あんたいつ結婚するんよ!」
「子供生めるトシわかってるん?はよ結婚しいや!未だ恋人もおらんのか!」
「空音が結婚するときがきたらご祝儀50万入れてあげるからね笑 ないだろうけど笑」
などなど、まぁ散々な罵詈雑言を浴び、更に手元の金を失ってきた。
(別に祝う気持ちがないのにご祝儀を出さないといけないこの世の中なんなの?てゆか私20代なのでまだタイムリミットあると思ってたんですけど、もしかして世の中的にはアウトなのか??)
式中、私達は親族席だったのでとりあえずひたすら遠い。全部遠い。ウェディングケーキ入刀も切ったのがアナウンスで分かったくらい遠い。
それでも花嫁さんはとてもキラキラしていて、この人今すごく幸せなんだろうなと思った。
舞台上の推しさんのキラキラとはまた違ったキラキラがそこには存在していた。
自分自身に結婚願望はないけれど、ふとグレー寄りのシャンパンカラーのタキシードに身を包んだ推しさんが脳内に思い浮かんだ。
隣を歩く私の姿は想像できなかったけれども。
でも、これ以上無いような優しげなまなざしの推しさんが、花嫁姿の女性に向かって微笑みかけている、絵に描いたような幸せそうな姿が脳内に浮かんだ。
幸せそうだな、彼のこういう顔が好きだな、嬉しいな。そう思ったのと同時に泣きそうになった。
彼もきっといつか「ご報告」という名のもと、大切な女性の存在を明かし、他の誰かと人生を共にするだろう。
私を客席に縛り付けたまま。*1
私はどうあがいてもただのファンで、夢見るリアコちゃんなだけだ。
彼の隣を歩く資格はない。
たった数センチ、いやそれすらも無い、ただのビニールテープで区切られた舞台と客席の見えない壁。
それを超えられる時はきっとこないだろう。
推しさん、大好きだよ。
幸せになるときには、きっと一番に教えてね。
一番に貴方を祝福するよ。
私はファンだから、結婚式に参列する事も出来ないし、あなたを花嫁から奪い取ることもできないけど。
でも祈るくらいは許してほしい。
これからも、貴方の幸せを祈らせてね。
客席から、愛を込めて。
*1:自分自身が選んで客席に座っているので推しに非は無いのですが。